Birthday Present
『あの…亮…?車いったよ』
『あ、っとワリイ』
私から手をはなすと亮はすぐに歩きだした。
『ありがとね』
『は…?』
『さっき車から守ってくれたじゃん』
『別に…たまたまだし』
暗くて亮の顔はよくは見えないけど顔が赤くなっているのがわかった。
『お前さ…まだ好きなのか?』
『何が?』
『中沢のこと』
『え……』
亮の質問にすぐには答えられなかった。
『そ…そんなの亮には関係ないじゃん、何でそんなこと聞くの?』
『なんとく…』
『なんとなくで聞かないで』
少し亮から離れて歩いた。
暗い空はまるで私の鏡だった。
中沢君のことなんてキッパリ忘れてたし、なのに何で…。
私の家の近くの公園が見えてきた。
ライトがついていて明るかった。
ん…?ライトの下に人影が……。
『お、中沢じゃん』
亮も人影に気づいたようだ。
『中沢く…っ…!』
一瞬にして私は声がでなくなった。
震えが止まらなくなる…。