Birthday Present
ライトの下には中沢君ともう一人の人影があった。
それは未織だった。
あの二人は公園のライトの下でキスをしていた。
『っ……』
足を一歩後ろにひくと石を踏んで私は転んでしまった。
―ドスッ
中沢君と未織が顔をはなし私の方を見ていた。
『み…美咲?』
『美咲ちゃん!?』
二人が私の元へと駆け寄って来る。
『おい、美咲大丈夫か?』
『白山』
『白山君…』
亮が私に手を差し出すが私は手をついたままだった。
『も…もしかして今の見てた?』
『見るつもりはなかったんだけど…たまたま通りかかっただけだぞ』
『うわー…恥ずかし…白山と美咲ちゃんにあんなとこ見られるなんて』
中沢君が赤くなった顔を隠すように顔に手をあてた。
『ハハハッ…ハ…』
『み…咲?』
―ポロッ
『あれ?何でだろ涙がでてくる』
私は立ち上がり目をゴシゴシとふいた。
『美咲きちゃ…』
『嫌だな…ゴミでも入ったみたい』
ふいても、ふいても涙がこぼれてくる。
『あ、私帰らないと…じゃあ』
『美咲、待てよ!』
『美咲ちゃ…』
『中沢君…何で追いかけるの?』
『え…それは…』
後ろから声がかすかに聞こえた。
私は振り返りもせず、家まで続くの道をひたすら走った。