Birthday Present



なんで…涙が止まらないの?

中沢君のことなんてキッパリ忘れたのに。

何で…こんな…苦しくなるの?

なんでまた泣いてしまうの?

『美咲!!』

後ろから私を呼ぶ亮声が聞こえる。

『ついて来ないで!私は家に帰るだけだよ?』

走る速度を上げる。

『帰るって…家通り過ぎてるだろ!いまさらどこに帰るんだよ!』

―パシッ

亮が私に追い付き手を掴んだ。

『…っ…はなして!』

亮の手を振り払おうとするが亮の手は私の手を掴んだままだった。

『こ…こっち…見ないで…私泣き…』

亮がいきなり私の体を抱きしめる。

『離して…』

『離さい。今お前のことは離せない』

何で…あなたはそんなに優しいの?

あの日もあなたは優しかった。

『美咲…俺美咲のことが好きだ』

『慰めはよして…』

亮の体から離れる。

『慰めなんかじゃねーよ!わかってんだろ?』

いきなり好きとか言われたって何をすればいいの?

急な亮からの告白。

いろんなことが頭の中でぐちゃぐちゃになる。

こんがらがって逆に頭の中が真っ白になった。

中沢君のことがまだ好きなの?

亮のことは友達?



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