Birthday Present
第六章*ゆれる思い



中沢君と未織がキスをしているところを見て私は涙を流した。

今だって考えるだけで涙があふれてきそう。

亮からの急な告白。

頭の中がぐちゃぐちゃで整理ができない。

ただ中沢君と未織のキスをしていた時のことが頭の中でリフレインする。

私が好きな人は誰?

亮?
中沢君?

誰か教えて下さい。

私が本当に愛しい人は誰なのか。

『…らないよ…』

『え?』

『わからないよ!今の私じゃ…何も…』

その場に泣き崩れる。

私はただ泣くことしかできない。

ふいても、ふいてもあふれる涙をただ手でぬぐうだけ。

『ごめん…私、帰らなきゃ…』

立ち上がり、フラフラしながらさっき来た道を戻る。

『そんなフラフラして危ねぇだろ。送ってくから』

『いい…一人で帰れる…』

『でも……』

『いいの!考えたいから…』

私がそう言うと亮はもう何も言ってこなかった。



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