Birthday Present



―キーンコーンカーンコーン

―ガラッ

『はいっ、みんな席につけ』

先生の声でみんながガタガタと席に着く。

あれ…?

隣を見るとまだ亮が来ていなかった。

なんで?鞄あるのに。

もしかして昨日のことで私にあわす顔がないとか…?

そんなに、私亮のこと傷つけちゃったのかな…?

亮…早く来て!

―ガラッ

『すんません、屋上にいたら寝ちゃって今起きたところです』

『そんなこと言わなくていいからさっさと席に着け』

『へーい』

よかった。

って…何私心配してるの?

いや、心配していいんだよ、うん。

『えーっと、来週の水曜日にマラソン大会があります』

え…“マラソン”?

私…運動苦手なのに。

教室中がどんよりとした空気につつまれた。

来週の水曜日か…。

チラッと亮の方を見てみると下を向いていた。

いつもなら寝てるのに。

さっき寝たからかな?

亮って運動得意なのかな?

『ねぇ、亮ってさ運動得意なの?』

亮からの返事がない。

『亮?』

『え、あ…何?』

『だから、亮って運動得意なのかなって』

『運動か…うーん…好きじゃないね』

『それ、答えになってなくない?得意かどうか聞いてるのに』

『そ…それよりさ、放課後話しがあんだけど、今日部活ないだろ?教室で待っててくれ』

『え…うん…わかった』

何だろ…話って。

まさか昨日のこと…?

あとで何を言われるのかドキドキして授業に集中できなかった。



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