Birthday Present
―放課後―
あっと言うまに放課後になった。
私はみんなが帰った教室の中、一人で亮のことを待っていた。
『もう亮ったら、人のこと呼んだくせにいないじゃないの』
自分の机から離れ、夕日で少し赤くなった空を見上げていた。
―ガラッ
教室のドアが開く音がして振り返る。
『もう、亮ったら遅…!』
ドアの前にいたのは亮と“中沢君”だった。
これは間違いなく昨日の話しをすると言うのがわかった。
『えっと…なんで中沢君まで?』
とりあえず聞いてみた。
『美咲、中沢は…』
『白山!俺が言うから』
中沢君が一歩前にでた。
『美咲ちゃん、俺未織と別れた』
『え…?』
別れた?
『昨日…あのことがあってきずいたんだ。未織のことは好きじゃなかったんだって』
『え?何で…』
『今までだってそうだったんだ。未織と付き合ってみて、気づいてはきてたんだ。未織のことは好きだけど、何かが足りないって』
中沢君の顔が真剣になってくる。
『未織との恋は本物じゃなかった。今、俺には好きな人がいる、未織と付き合っていた時もその人のことを考えるだけでせつなくなった…』
『わかったけど…なんで私に言うの?』
中沢君が大きく息を吸い込み、私の瞳を強い眼差しで見つめた。
『俺…美咲ちゃんのことが好きだ』