Birthday Present



―キーンコーンカーンコーン

―ガラッ!

『荒川。もう戻っていいぞ。今後きおつけるように』

『はい…!』

ガラッ…

教室のドアをあけると一瞬みんなが私の方を見た。

『美咲〜。バカじゃないの?ヤバイ先生の時にボーッとして…』

『でも、そのおかげでいいことがおきたの!』

『はい?』

友花は不思議そうにこっちを見る。

『私……好きな人ができた』

『ふーんそーなんだ………ってえぇ!!』

友花の大きい声は教室中に響いた。

『だ…誰??』

『な…中沢渉君…です』

『中沢…渉?』

友花はさっきまでさわいでいたのに急にピタリと動きが止まった。

『中沢君っていったら白山君にならぶちょーモテ男じゃん』

『え?そうなの…』

友花はコクリと頷く。

『…まぁ頑張んなよ。応援するからさっ!』

『ありがとう』

『ところでなんで好きになったの?』

『それは……』

キーンコーンカーンコーン…

タイミング悪く、授業始まりのチャイムが鳴った。

先生が教室に入ってきたとたん友花が私の腕を引っ張った。

『先生!あの美咲具合が悪いみたいなので保健室行ってきます』

『わかりました』

友花は私の肩に手を回し、ゆっくりと教室から出た。

私具合悪くないよ?

それに向かってるとこ保健室じゃないし…。

私は黙って友花が向かう場所に行った。




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