Birthday Present
その後、私はずっと学校を休んで部屋にこもっていた。
学校に行って、亮と中沢君にあわす顔がないからだ。
『美咲、今から出かけるんだけど美咲も行く?』
ドアの向こうからお母さんの声が聞こえる。
『うん、行く』
私は立ち上がり、クローゼットをあさり、服を出す。
『今日はお気に入りのピンでもつけて行こうかな』
アクセサリーボックスを開き、お気に入りのピンを探す。
『あれ?ない…』
そうだ…“あの日”に私つけて、まさか学校に落とした?
違う…たしか、一回外して…そのまま机の中にいれっぱなし?
『あれ、友花から貰った大切な物なのに!』
時計を見ると、針は4時をさしていた。
たった今きた服を脱ぎ、制服を着て急いで部屋を出た。
『お母さん、私学校行ってくる!』
『え?急にどうしたの?』
『行ってきます!』
家のドアを開けると私は学校まで急いで走った。
今は部活中だから誰も教室に居ないはず。
亮も中沢君もバスケのレギュラーだから、部活サボるはずないから会う心配もないよね…?