SSシリーズ
いきなりまたぶっとんだ発言をする昂に朝から振り回されっぱなしだ。
肌は密着するけど、ちょうどいい体温が心地いい。
ぎゅう、と抱きしめ返すと、同時にスヌーズ設定されていたアラームがぴたりと止まった。
「うわ、ちょっと菜々ちゃんどうしたの。朝から積極的じゃないか。」
「…うるさい」
「えちょ、これ第2ラウンド行っちゃうよ??」
「はっ!!?」
もぞもぞと動き、なぜかあたしの上に覆いかぶさってくる昂。
焦り始めたのはあたしの方だった。
「やば。目ェ覚めたわ」
それはよかった…、じゃなくて!
「え?え?え?」
なんで??なんでそっち展開?
「早くしないと会社遅刻だわ。てかそのまえに俺の下半身がやばい」
「朝っぱらからばっかじゃないの…!!?」
ぐいぐいと迫ってくる昂を必死で押し返すも、ほぼ無意味。
首筋に口付けられて、思わず漏れる甘い吐息にまた体温上昇。
「ごめん、無理」
「や、っ」
――上手な起こし方。
「すいません遅れました!」
「減給するぞお前ー」
「すいませんあまりにも妻が可愛かったもので」
「あーそう、やっぱお前減給!」
「ぶちょーの鬼!」