SSシリーズ
ある友人Aによる話
ちょっときいてくださいよ皆さん。
最近久賀さんが変なんです。
とにかく上の空で。
このまえなんか煙草を反対向きに加えて火つけてたんですからね。
びっくりでしょう。
あの久賀さんですよ。
署でもよく騒がれてる未婚のイケメンです。
えっ、私ですか。
私はですねーそうですねー。
所謂久賀さんの悩みの種の友達といったところでしょうか。
知ってますかみなさん。久賀さんったら一目惚れするくらいハルが好きなんですよー。
聞いてください。
高校生の時なんて、荒れすぎて女の子にまで手ぇあげちゃうような女の子きらーいなあの男がですよ。
ああもう今じゃハルにべた惚れで。
あーちなみにハルのことを泣かせた暁にはその下半身についてる大事なモノ、再起不能にしてやる予定なんですふふふ。
あっ、今なんてコーヒーと間違えておしるこのボタン押してますよー。
仕方ないですねー。
ほーんと。
「三和ちゃーん、ごめ…遅れた、っ」
ハアハアと息を切らす彼女は私の大切な親友です。
「あーいいのいいの。はいそれよりこれ。」
ぽい、と彼女に手渡したそれは先ほど買っておいた缶コーヒー。
「ブラック?…飲めない…。」
しょんぼりする彼女をちらり、頭をなでる。そんなの知ってるわよ。ほら。
指差す方向はおしるこを飲むかのまないかで試行錯誤するカッコ悪い久賀さん。
ざまーみろ。そして幼なじみの私に感謝しやがれ。
ここは警察署。
そして。
「はーい、いってらっしゃい」
「三和ちゃん、好き!」
知ってるわよそんなの。
とりあえず、幸せそうで、何よりです。
ある友人Aの考察。