双鬼
「うぎゃぁ!うぎゃぁ!!」森の奥。小さな小さな村で、『それ』は産まれました。

村人A「あぁ、なんとおぞましい・・・!」

村人B「祟りよ!・・・この村はいつか、この子の手によって滅びるんだわ!!」

 白く綺麗なシーツの上に寝かされたのは、銀色の髪に蒼い瞳をもった男の赤子。床の上にただ置かれたのは、金色の髪に蒼い瞳をもった女の赤子。
 そう、その女の赤子こそが、村で先祖代々語り継がれてきた恐ろしい魔物。『鬼』なのであった・・・。
 村には、昔からこんな言い伝えがあった。
 【この聖なる村で二人の同じ顔をもつ御子が生を受ければ、いずれ村は滅びるであろう】と・・・。
 男の赤子(弟)は『セルトゥ』女の赤子(姉)は『シュイターン』と名づけられた。

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