君とあの場所で
どうしても唯那に蓮斗くんと会ってほしい。けど、でもどうしたら………
「あ、来週!か………クリスマス!私の予定潰していいから遊んできなよ!」
「はぁ?何言ってんの沙綾」
「私まじだよ!」
「私、沙綾の予定まで潰したくないんだけど………」
「でも唯那、蓮斗くんと夏休み以来会ってないんだよ!?」
「そうだけどさぁ………まだ会う機会はあるじゃん」
「もうそろそろ受験なんだから、これ逃したら卒業まで会えないかもしれないよっ?」
「………まぁ………ねぇ………」
「私は希咲ちゃんとでも遊ぶからさっ!」
「私も希咲と遊びたいもん!」
立花 希咲(タチバナ キサキ)
中学3年生。吹奏楽部。
私と同じ中学校。
「唯那、希咲ちゃんとは今度遊ぶんでしょ。先月言ってたじゃん」
「………言ってたけどさー」
「とにかく!私の予定は潰していいから、蓮斗くんと会って来い!」
「私会わないからね」
「なに?」
「………わかったよ。んじゃ来週ね」
「ん、わかった」
私も本当は唯那と遊びたい。けど私は唯那と蓮斗くんの恋ばな聞くの、大好きなんだ。
大好きな親友が、幸せそうに話してくれるとつい、私も幸せになるから………