君とあの場所で
「………千穂」
「んー?」
「………やっぱ何でもねーや」
「なにそれー」
そう笑いながら千穂は自分の教室に戻って行った。
俺は今、何を言いたかったのだろう………
「蓮斗っ!そろそろクリスマスだな」
牧原 秋汰(マキハラ シュウタ)
中学3年生。男バス。
俺と同じクラス。
「あぁ………そういえば………」
「なんか予定あんの?」
「あー………決めてねーや」
「彼女と会わねーの?」
「………なんでいること知ってんの?」
「千穂。さっきお前と話してたじゃん」
「あぁ………盗み聞きね」
「変な言い方すんな!」
クリスマス………ねぇ………たぶん会えねーな………