光の子





「正しければいいの!」



大丈夫。
姉はきっぱりと言った。




「美鈴はすぐに、やりたいことを見つけて、まっしぐらになるんだから、絶対。
いまは、見つからなくて、焦って、甘えて、八つ当り」



「ただの、姉弟ゲンカ?」



眉を上げ、沙世はうなずいてみせた。



「案ずるなかれ、重く受けとめるなかれ」



芝居がかった言い回しに、矢楚も、ふっと笑いがこぼれる。




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