光の子



◇高1 秋


遠く、グラウンドからフォークダンスの音楽が聞こえる。
後夜祭はフィナーレを迎えていた。

楽しむ生徒達から離れ、広香(ひろか)たちは大きな満月が煌々(こうこう)と照らす、薄藍色の中庭に立ち尽くしていた。

「私が殺したの」

亜希(あき)がそう言った。強い風が吹き、亜希の長い髪が右へ流れた。




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