光の子


… … … … … …

ウィンカーを右に出しながら、高槻が言った。



「ここが、目的地みたいだね。
お父さんが駐車する近くにうまく停められたらいいけど」



家から十五分ほど走らせて、父の車が入ったのはショッピングモールの駐車場だった。


大型スーパーや、レンタルDVDショップ、服飾店や飲食店などが軒を連ねる広大な商業スペース。



父の車は、駐車する場所を探しているというよりは、目的地へ向かって迷うことなく進んでいるように見える。



高槻が静かに言った。




「結構、ここまでくると車が少ないから。
近くに停めると怪しまれそうだ」




店舗近くの駐車スペースではなく、広い駐車場のなかでも、
車があまりない場所に父の車は停まった。



高槻はそれを確認すると、父の車のすぐ後方の区画に駐車した。



父の車まで十五メートルほどの距離だ。



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