光の子
合格発表の日。
母は、仕事を休んで家で待つと言ってくれた。
反発している広香に遠慮して、高校までは付いていかずに。
緊張と遠慮で心細そうな母を残し、アパートのドアを閉めたとき、
広香は素直な自分に戻りたい、と思った。
この四ヵ月、体中を硬く覆っていた自分の意地が、
パラパラと剥がれ落ちていく。
合格しても、しなくても、またこのドアを開けて母のもとへ帰るときは、素直な自分に戻ろう、と。
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