光の子
矢楚、そして木綿子たちと、合格者掲示板に載っている自分たちの番号を見て喜び合ったあと、
広香は急いで母の元に帰った。
アパートのドアを開け、合格だったことを伝えたとき、その瞬間の母の安堵と興奮と喜びの表情に、
広香は、娘を幸せにしたいと願う母の愛の純粋さを思い知った。
その時も、窓から西日が差し込んで部屋の全てを眩しく照らしたが、広香はもう圧迫感を感じなかった。
「お母さん、ごめんね」
小さく告げた広香の涙声を、明るい陽が優しく溶かした。