光の子



広香がクラブに立ち入ったのは、矢楚と付き合い初めの六月以来、これが二度目だ。


敷地内には、グラウンドが二面もある。
それでも、迷うことなく、試合会場へは行けた。

ひときわ、にぎやかだったから。


矢楚が所属するクラブは、J1のチームが保有するユースで、当然ながら、その強さたるや県内では抜きんでている。
今日は近隣県の強豪サッカークラブが対戦相手として招かれていた。



両チームの名まえが書かれた横断幕、クラブ生以外にも、保護者も多く、友人などもつめかけて賑わっている。

広香がグラウンドに着くと、応援に駆け付けた鷹の台高校のチアリーダー部が、試合前のパフォーマンスを開始するところだった。




< 258 / 524 >

この作品をシェア

pagetop