光の子



窓際の席の柴本は、寝ているようだ。

組んだ腕に頭を載せ、顔は窓側に向けて。

長い髪が、扇を広げたように机と細い背中に流れている。


こいつは、寝ていても迫力があるんだな。



矢楚は、前の席に腰掛けて、柴本、と声をかけた。


幸い、近くには誰も座っていなかった。





< 338 / 524 >

この作品をシェア

pagetop