光の子



柴本亜希は、
特別進学コースの雰囲気にまるでそぐわなかった。


華やかさという異質。
成熟がもたらす孤独。


多様な生徒に混ざっていた中学時代よりも、進学クラスの均質な生徒達の中では、より際立っていた。

際立ち過ぎていた。


皆が柴本亜希の噂をした。

誰の胸にも、彼女の長い髪がなびいていた。




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