光の子
柴本亜希は中学三年にしては大人びていた。
チアをする華やかな姉の影響を、多分に受けている。
華やかな目鼻立ち、高い身長に、グラマラスな体。
その肉体が、彼女の精神の早熟さを現しているようだ。
まだ性の目覚めを知らない多くの女子の中にあって、早熟さからくるオーラが、亜希を少女集団から際立たせていた。
矢楚にとって、女子からそんな露骨なアプローチをされるのは、はじめての経験だった。
矢楚がサッカーに明け暮れているジュニアユースは、いわば女子の死角だ。
見学にくるのはユース生の家族くらいで、意外に地味なものだった。