光の子
中二で初めて同じクラスになり、それまで放課後のわずかな時間たまに話すだけだった広香と、長く時間を過ごすようになった。
そして再び同じクラスになった三年生の、それはいつとも知れないうちに。
広香は矢楚のなかで友達とは違う、特別な存在に変わった。
近くで話したらもうおしまいだ、広香はとてつもなく美しく見えて、桜色のくちびるに吸い寄せられそうになる。
くちびるだけではない。
サラサラと風にそよぐショートの髪、華奢な肩、やわらかそうな頬、細い手首、小さな足。
そのどれもが、引力を持っているかのように矢楚を引き付ける。
触れたい。
広香を抱き締め、その匂いを深く吸い込みたいという欲望は、日増しに、悩ましく押さえがたくなった。