光の子
響子は、目を細めて意味ありげに笑う。
「外国から、しょっちゅう郵便が届いてるらしいじゃないの〜?」
クーラーボックスから、缶ビールを出して広香に渡す。
「呑んでもらいましょう。腹を割ってもらわないと。アミーゴ」
広香は、苦笑して受け取った。よく冷えている。
広香がプルタブを空けるのを待って、響子が缶を合わせてきた。
「サルー!」
スペイン語で乾杯の意味だ。広香も、サルーと返してビールを一口飲んだ。
「まずそうに呑むね」
「まずいです」
もったいないよ、まったくと響子は笑う。
それから、菜摘の口調を真似て言った。
「たぶん、ヨーロッパあたりのどっかだと思うんですけど、
広香さんに頻繁にハガキが来るんですよ。
なんか古い町並みが写ってたり、その土地の焼き物が写ってたりするハガキです」
「似てますね」