光の子
柊太は、超未熟児で生まれた。
手のひらに載るくらいの、信じられない小ささで。
七ヵ月しかお腹にいさせてあげられなかった、と、
母はそんなことすら自分を責めた。
無事退院してからも、超未熟児で生まれた柊太は
体が非常に弱く、
母は絶えず緊張して育てなければならなかった。
そうして細心の注意を払って育てられた柊太は、
生まれて五ヵ月ほどして体力がつくと、
今度は毎晩激しく夜泣きをするようになり、
昼も夜も抱かれていないと寝なくなってしまった。
広香が赤ちゃんの時とはまるで違う、そう言って母は困惑した。
そのうちに、母の忍耐も気力も愛情も、癇癪持ちで敏感な柊太に吸い尽くされてしまった。
疲れ果てた母は、良くなっていた「うつ」があっという間に再発した。
診断名は「産後鬱(さんごうつ)」だった。