【長編】FOUR SEASONS
冷水を浴びせられたようだった。

心臓がバクバクと鳴り、体内を駆け巡る血の勢いは増すはずなのに、何故か身体が冷たくなっていくのを感じた。

最近は優華が俺といるのは学内の者ならあたりまえのように受け止めている。

たぶん俺たちが付き合っていると思っている奴も多いだろう。

だから…どこかで安心していた。

もう、半年になるから落ち着いただろうと勝手に心のどこかで思い込んでいた。


――甘かった…


麻里亜がネクタイを離し『わかった? 今度優華に手を出したらタダじゃおかないわよ?』と言いながら視線で話し掛けてくる。


――優華を、絶対に護って…――


「うるせえな、別に何もしてねぇだろうが」

そう毒づきながら視線で麻里亜に答える。


――わかってる。絶対に護るよ…――


二度とあんな思いはしたくない。


『沖崎君、キミは彼女を命をかけても護りたいと思う?』


あの日そう言った紫水晶の瞳を思い出す。


護って見せるさ


絶対に…


そう、たとえ命を懸けても…。


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