【長編】FOUR SEASONS
いつもの事だが、女子のこの態度にはうんざりする。

教室の隅で固まって、サインがどうとか握手がどうとか話しているのが聞こえて来る。

小声で話しているつもりらしいが、丸聞こえなんだって。

はぁ…うぜぇ。

教室を覗き込んでいると五月蝿いので、廊下の少し下がった窓の淵に腰掛ける形で先ほどの男子生徒を待っていると、程なくして友達と何処かへ出たらしいと返事が返ってきた。

しょうがない。放課後もう一度捕まえるか。

男子生徒に礼を言い、『放課後、昨日のあの場所で待っている』と伝言を伝えると、まだ騒がしい教室から逃げるようにその場を離れた。

このとき俺は思ってもいなかった。

優華がすれ違いで俺のクラスへ行っていたなんて。

考えてもみなかった。

俺が優華のクラスへ行った事が、どういう結果を招く事になるのかなんて。


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