【長編】FOUR SEASONS

「そ…そんな、あんまり褒められると照れちゃいますよ。」

先生の言葉に顔が熱くなっていく。

それなのに、心がどんどん冷えていく気がするのは何故だろう。

「本当だよ。沖崎君も、雷に打たれたみたいに固まっていたよ。
君が舞台に立った瞬間の艶やかさには、僕たちは一斉に溜息をついたんだよ。ねえ？光林さん。」

セルデュ先生は麻里亜を振り返って微笑みながら名前を呼ぶ

『ねえ？光林さん』

生徒を呼ぶあたりまえの呼び方なのに…

先生が麻里亜の名前を呼ぶと、何故かその部分だけ色がついているみたいに聞こえるのは何故だろう。