【長編】FOUR SEASONS

「そうね、確かに幼馴染よね?あなたたちは。」

「あらら。本当に気付いてなかったんだ。孝宏…我が子ながら不憫な奴ね。
優華ちゃん。孝宏はずっと、あなたの事が好きだったのよ。幼稚園の頃からね。
あんな奴だけど、おばさん優華ちゃんにプレゼントしちゃうから貰ってやって?
あ、返品は不可よ。受け取り拒否もダメ!!」

ママやおばさんが、早口で言うのを呆然と聞きながら、あたしは動かない脳みそで必死に考えを纏めていた。

あの時先輩は何て言ってたんだっけ?

『今はその娘に気付いて欲しいというよりも、好きになって欲しいって気持ちが強いね。やっと再会できたのに、その娘は俺の事忘れてしまっていて、全然思い出そうとしないんだ』

やっと再会できたのに…?

俺の事忘れてしまっていて…?

もしかして、それってあたしのこと?


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