【長編】FOUR SEASONS
その場から動く事も…
優華を追うことも……
身体と思考が全てを停止して、作動する事を拒んでいる。
俺は壁に寄りかかるとその場にズルズルと座り込み頭を抱え込んだ。
視界に入ったのは優華に渡そうと思っていた白いバラの花束。
―― 私はあなたに相応しい ――
そう胸を張って言えるようになると決めていたのに…
「何をやってるんだ俺は」
冷たい床に握り締めた拳を、怒りや苛立ちと共に打ちつける。
拳は熱くなったが痛みは感じなかった。
心が余りに痛くて…何も感じられなかった。
胸の中心が鼓動を止めて
凍り付いていくようだった―…。