【長編】FOUR SEASONS
相変わらずその場に座り込んだままではあったが、ようやく少し冷静さを取り戻し始める。

徐々に思考回路が復旧してくると、自分の中のごちゃごちゃした思いを整理する事ができるようになってきた。

優華は今まで俺以外の男の話をした事があっただろうか。

麻里亜からもそんな話は聞いた事が無かった。

初めてのキスの後、恥ずかしそうに笑顔を見せた優華。

あの笑顔は俺だけのものだったはずだ。

好きな人がいたのなら、これだけ毎日彼女を見つめ続けていて何故気付かなかった?

いつから優華はそいつの事を想っていたんだろう?


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