【長編】FOUR SEASONS
階段を上ってくる足音に気付き、ようやく自分が廊下で座ったままである事を思い出す。

人通りが無かったとはいえ、随分長い時間ここで座り込んでいたように思う。

とりあえず一旦麻里亜とセルデュ先生の所へ戻らないとカムフラージュにならない。

二人きりにしてやりたいところだが、そう言う訳にもいかないだろう。

周囲からどんな噂が立つかわからないからな。

まあ、噂がたつ以前に本当に付き合ってるんだから、どうしようもないけど。

ようやく回るようになってきた頭を一度ブンブンと振って、パシンと平手で頬を叩く。


自分への戒めと、渇をいれる為に。


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