【長編】FOUR SEASONS
現実の厳しさに昨日は眠れなかった。

でも、10年以上待ったんだ。

振り向かせてやるさ。

俺だって、彼女が"ゆうちゃん"だって知らないままに一目惚れしたんだから 。

覚えていないなら、俺に惚れさせるだけだ。

雪の日、小さなチョコレートをくれた優華の姿を思い出す。

―――― たかちゃん、だあいすき。 ――――

あの時、俺は恥ずかしくて、好きだって伝えるどころか満足にお礼もいえなかった。

今言われたらきっと、抱きしめてしまうだろうけどな。

思わず想像してふっと、笑みがこぼれる…。


今日こそ、ちゃんと伝えるから。


お前をずっと好きだったって。


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