【長編】FOUR SEASONS
Autumn 思い出のネックレス
ふあぁぁぁ…
…っと、こんな大あくびしてる所、孝宏先輩には見られたくないなぁ。
良かった、まだ先輩が来る前で。
先輩と想いが通じ合ってから2週間。
あたしたちは今日、初めてデートというものをする。
あ、夏祭りに行ったのはあたしにとってデートという意識が無かったから、今回が初めての正真正銘のデートってことになる訳ね。
だから、嬉しくて昨夜は良く眠れなかった。
自宅まで迎えに来ると言い張る孝宏先輩を説き伏せて、今日だけは我が侭を利いてもらった。
そして今、あたしは約束の場所に立って先輩が来るのを待っている。
あたしには初デートでどうしてもしてみたい事があったの。
それはね…
この駅前の噴水の前で待ち合わせること。