【長編】FOUR SEASONS
「大きなあくびしてるじゃないか。昨夜眠れなかったのか?」

突然、背後から聞き覚えのある声が聞こえてビクッと飛び上がるくらい驚いた。

「キャッ…、たっ…孝宏先輩?なっ…なんで後から来るんですか。びっくりするじゃないですかっ。」

「ん?ちょっと驚かそうと思ってさ。正面から明らかに分かるように来たって面白くねぇだろう?」

「面白くない…って、あたしは驚かされるほうが面白くないですよ。」

プンと拗ねたふりをして顔を逸らすと、先輩はクスクスと笑いながら、ごめんと言ってあたしを後ろから抱きしめた。

背中が温かくて、先輩の鼓動が直接響いてくるようで…

ときめきながらも広い胸に身を委ねるようにして寄り添う。





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