【長編】FOUR SEASONS
自然に頬へのキスを受け入れて静かに想いを受け止める。

導かれるように向き直り、背中に手を回すとキュッと抱きしめた。

「あたしだって負けないくらい好きだもん。」

「クスクス…そう?うれしいな。…ね、優華、キス…しよっか?」

「ん…大好き…」

先輩は凄く優しい目であたしを見つめる。

この瞳に囚われたら誰が抵抗できるんだろう。

静かに重なる優しい唇に応えるようにそっと啄むと

先輩は一瞬驚いたようだったけれど、すぐに嬉しそうに返してくれる。


気持ちのこもった優しいキス…


先輩がどれだけ長い間あたしを想っていてくれたのか、今更ながらに心に沁みてくる。


「負けないから…」


キスとキスの合間に僅かに息を継ぎながらそう言うと、先輩は不思議そうにあたしを見た。


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