【長編】FOUR SEASONS
「負けないから…他の人が先輩を想う気持ちに…。
あたしが一番先輩を好きなの。他の誰が先輩を想ったって、あたしがいる限り敵わないって認めさせてみせる。
あたしがこの世で一番先輩を愛してあげる。
他の誰にも負けないくらい…愛してあげるから…。」

「ゆう…か。おまえ…。」

「先輩はいつだってあたしを護ってくれるけれど、あたしは何も返してあげられない。
今までの気持ちだって、先輩があたしを想ってくれた年月や想いの深さには敵わないと思う。
でもね、この先はずっとあたしがあなたを支えてあげたいの。
護ってもらってばかりなんてイヤ。
想ってもらうばかりもイヤ。
あたしがあなたを愛していきたいの。」

先輩に回した腕に力を込めてもっと強く抱きしめる。

こうして抱きしめる事で想いの全てが伝わったならどんなに良いだろう。

先輩はとても優しい瞳で凄く綺麗に笑って言った。

「この場所でキスをすると結ばれるって聞いた事ある?
俺たちもきっとそうなるよ。
俺はずっと優華の傍にいるから。」

「うん。一緒に…いる。ずっと傍にいるよ。」

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