【長編】FOUR SEASONS
放課後、俺は昨日優華に話しかけたあの場所で待っていた。

だが、３０分以上待っても優華がくる気配は無い。

ちゃんと伝えてくれたんだよな？もう随分待ってるぞ。
伝言が伝わっていないのではないかと不安になったその時だった。
視界の端に見たことのある女生徒が血相を変えて走ってくるのが見えた。

昨日優華と一緒にいた娘だ。
俺と目が合うなり必死の様子で駆け寄ってきた。

｢先輩大変です。優華がっ！助けてください！｣

何があったのかなんて聞く余裕は無かった。

ただ、全身から血の気が引いていくのがわかった。

彼女のただならぬ様子で、優華に何かあったのだとすぐに解った。
優華は俺のファンだという数人の上級生に連れて行かれたらしい。
顔を殴られ、髪を引きずられて何処かへ連れて行かれたのだという。

そういわれて良く見ると、彼女も左の頬が少し腫れている。
胸のブラウスのボタンも飛び、ブレザーも汚れてスカートがくしゃくしゃだ。
まるで、ケンカでもしてきたみたいに。


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表紙・目次

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