【長編】FOUR SEASONS
あたし達は二人が通った幼稚園の園庭を見つめていた。

あたしたちの止まっていた時間そのままに、あの頃と何も変わらない情景がそこにあって、嬉しくなる。

「ここで優華にチョコレート貰ったんだよな。」

「あ、この場所だったっけ? すごく緊張していたから良く覚えていないんだけど。」

「ここだよ。ほらちょうどこの場所。」

そう言って先輩は11年前、あたしたちが立っていた場所にあの日と同じように立ってみせる。

あたしも導かれるように先輩の前に立った。




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