【長編】FOUR SEASONS
傍にいて巻き込まれただけの彼女のあまりの姿に、今ごろ優華がどんな目に遭っているかと思うと怒りが込み上げてくる。
何処にいるか判らない苛立ちが俺を冷静な判断力を奪った。
その時の俺が思いついたのはひとつの事だけだった。
それが正しい事かなど考える余裕も無く、校庭を横切り北棟に飛び込んだ。
階段を駆け上がり2階の奥の突き当たりのドアを蹴破る
中にいた数人の生徒が俺の剣幕に戦(おのの)いて道を開けた。
防音壁と防音ガラスに囲まれた小さな部屋に入り、鍵をかけると邪魔の入らないことを確認してからマイクを取る。
全校一斉放送のボタンを押し、深呼吸をひとつしたあと、低く脅すようにいった。
「俺は沖崎孝宏だ。1-Bの高森優華を連れて行った奴。この放送を聴いたら、今すぐ優華を返せ」
何処にいるか判らない苛立ちが俺を冷静な判断力を奪った。
その時の俺が思いついたのはひとつの事だけだった。
それが正しい事かなど考える余裕も無く、校庭を横切り北棟に飛び込んだ。
階段を駆け上がり2階の奥の突き当たりのドアを蹴破る
中にいた数人の生徒が俺の剣幕に戦(おのの)いて道を開けた。
防音壁と防音ガラスに囲まれた小さな部屋に入り、鍵をかけると邪魔の入らないことを確認してからマイクを取る。
全校一斉放送のボタンを押し、深呼吸をひとつしたあと、低く脅すようにいった。
「俺は沖崎孝宏だ。1-Bの高森優華を連れて行った奴。この放送を聴いたら、今すぐ優華を返せ」