【長編】FOUR SEASONS
「一緒に生きようって約束したでしょう? 
誕生日に婚約するって言ったじゃない。
怪我なんてしている場合じゃないでしょう?」

溢れ出る涙を必死に隠すように微笑んでみせる。

「うん……そ…だな…。
優華…愛して…る。
おまえが…無事でよか…った…」

そう言って静かに微笑むと孝宏は意識を失った。

体の重みがどんどん増し、体温もどんどん奪われて冷たくなっていく。


「いやあぁっ!
孝宏、嫌よ。しっかりしてっ。」


必死に抱きしめて叫んでも、孝宏から流れる血と体温は留まる事を知らない様に奪われ続けている。



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