【長編】FOUR SEASONS

3日間

ただひたすら眠り続けるあなた


耳元で何度も何度も呼びかけて

冷たい唇に目覚めのキスを何度も繰り返す。

それでもあなたは目覚めてくれない。

冷たいこの手を繋いでから、どれだけの時間が経っただろう。

あなたが握り返してくれる事を祈り繋ぎ続ける手は、力なく投げ出されている。

ふたりだけの静かな部屋に単調な機械音が鳴り続け

この悲しい音だけが確かにあなたの心臓が動いている事を教えてくれる。

けれど…

あなたは時を止めたかのようにピクリとも動かない。




< 214 / 323 >

この作品をシェア

pagetop