【長編】FOUR SEASONS

力なく座り込み硬く手を握り締めると、額に当てて自分に閉じこもる様に丸くなる。

｢高森さん、大丈夫？
今、ご両親と連絡を取った。
麻里亜も…君が心配ですぐに来ると言っていた。
気をしっかり持つんだよ。
沖崎君は大丈夫だ。
彼は…きっと無事に君の元へ戻ってくるよ。
君がしっかりして彼の回復を手助けしてあげるんだ。
いいね？　決して悲観的になっちゃいけない。
君が悲しみに負けたら…彼は本当に黄泉の国へ連れて行かれてしまう。」

セルデュ先生の言葉に胸が詰まる。

あたしがしっかりして孝宏を信じてあげなくちゃ。

…そうよ、孝宏を救えるのはあたしなんだから。

凛と顔を上げセルデュ先生の顔をしっかりと見る。

先生がハンカチであたしの涙を拭ってくれた。

真っ白なハンカチに茶色に変色した血が付いたのを見て、自分が孝宏の血を浴びている事にようやく気が付いた。

｢顔を…洗ってきます…。」

フラフラとトイレへ向かい、寄りかかるようにしてドアを開く。

正面の鏡に映る、信じられない自分の姿に目を疑った。