【長編】FOUR SEASONS
俺は優華に自分のブレザーを着せると、そのまま優華を横抱きにして保健室へと歩き出した。

少し抵抗したがすぐに諦めたように俺の胸の中でおとなしくなる優華

ふわっと桜の花の様な香りがした。

優華…ごめん。


もっと考えるべきだったんだな。


こういうことも考えて行動するべきだったんだ。


辛い思いをさせてしまって本当にごめんな。


もう一度、俺に微笑みかけてくれる日が来るんだろうか?

もう一度、俺を思い出してくれることがあるんだろうか?

頼む優華…。

俺を嫌いにならないでくれ…。

腕の中の優華の温もりを抱きしめて、切に願った。

保健室のドアを開ける無機質な金属音が廊下に冷たく響く。

まるで心を引き裂かれるようで…胸が痛んだ。



+++ 想いの行方 Fin +++

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