【長編】FOUR SEASONS
無機質な電子音が孝宏の鼓動を教えている。

張り詰めた空気の中で、彼の容態はまだ不安定なままだ。

銀色に染まった窓の外から差し込む日差しに眩しさを感じる。

この様子だと雪はすぐに溶けてしまうだろう


「孝宏…雪、溶けちゃうよ…」

握り締めた孝宏の手に力を込めながら、囁くように話し掛ける。

「一緒に見たかったのにな。ホワイトバースディだねって…。」

そっと、孝宏の額に掛かった前髪を払い、額にキスを落とす。


「お誕生日おめでとう。婚約者さん。」


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