【長編】FOUR SEASONS
やっと入院生活を終えて帰ってくる孝宏。

毎日病院へお見舞いに行っていたし、できる限り一緒に過ごしてはいたけれど、容態が安定してからは大部屋に移動したから、人目があって会話一つにしても気をつかっていた。

もちろんキスはおろか手を繋ぐ事さえできないし…。

孝宏は気にすること無いって言うけれど、大部屋でキスはさすがに出来ないよ。

談話室や天気のいい日は庭に出て話をしたりもしたけれど、孝宏も身体を休めなければいけないから病室から長く離れるわけにもいかなくて、結局毎日会いに行ってはいたけれど長居をしないようにしていた。

孝宏は不満そうだったけれどね。

だから退院できると聞いて、やっと孝宏と本音で話が出来ると思うと嬉しかった。


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