【長編】FOUR SEASONS
「結局会えなかったね。先輩の用事って何だったのか気になるよね。」

二人で話しながら東棟の教室に戻ると、教室の前でクラスメイトの山崎君が立っていた。

手招きされて廊下の端へ行くと、私にだけ聞こえるように先輩からの伝言をそっと耳打ちしてくれて、おまけに、教室は沖崎先輩が来たことで大騒ぎになっているから気を付けてとアドバイスまでしてくれた。

案の定、中に入った途端質問攻めにあい、もみくちゃにされてしまった。

先輩とは何の関係も無いと何度言っても誰も信用してくれない。

げんなりとすると同時に、先輩の人気に改めて唖然とするほか無かった。


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