【長編】FOUR SEASONS
「ゆっ…優華?何してるんだよ。」

俺の部屋に入ると優華はいきなりきていたセーターを脱ぎだした。

「ん~?にゅいでる。」

舌も回ってねぇじゃないか。

酔った優華は俺の静止も聞かず、スカートのフックまで外しだす始末だ。

勘弁してくれよ。酔ってる女に手を出す趣味はないんだよ、俺は。

惚れた女が目の前で服を脱いでいるのに手を出せないなんて、かなりキツイものがあるけど、ここはやっぱり紳士にならないといけないだろう?

「優華、風邪ひくから何かパジャマ代わりになるもの出してやるよ。
ちょっと待ってろよ。」

俺はクローゼットを開けて優華の着れそうなものを探し始めた。

不意に背中が温かくなる。

振り返ると案の定優華が俺を背中から抱きしめていた。

背中に頬擦りをするように甘える姿がまるで猫みたいで可愛らしい。

これで酔っていなけりゃ良かったのに…
と、邪まな思いが心を過ぎっていくのに苦笑しつつ、身体を反転してギュッと抱きしめた。


だめじゃん、俺。


自分で自分を追い詰めてどうするんだよ?


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