【長編】FOUR SEASONS
キャミソールだけの優華を抱きしめると、いつもよりずっと温かくて、肌の触れる場所から鼓動まで伝わってきそうだ。

俺の心臓は裂けるんじゃないかと思う位の勢いで早鐘を打っていた。

「ゆ…うか…。ちょっと…待てってば。俺、自制できる自信ねぇって。」

これ以上直接触れていたら本当に優華を押し倒してしまいそうだ。

無理やり優華を引離すが俺の背中からもう一度抱きついてくる。

「優華…オイ、待てよ。マジで俺知らねぇぞ?
おまえを襲う自信はあっても襲わない自信は無いんだからな。」

「いいもん。孝宏ならいいの。」

…そのセリフは素面(しらふ)の時に言ってくれよな。

「優華…。おまえ素面じゃないんだから…。
俺は惚れた女を酔った状態で抱くほど落ちぶれたくはないんだよな。
自制心の働いている間に服を着てくれると嬉しいんだけど。」

俺の言葉に優華はプルプルと顔を横に振って縋るような目で見上げてくる。


一体どうしたって言うんだ?


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