【長編】FOUR SEASONS
結局あの後暫くして優華はまた眠ってしまった。

ちゃっかり俺の腕枕で。

おかげで一晩中眠れなかった俺は、優華を背中から抱きしめるような形で明け方まで悶々と起きている羽目になった。


もしかしたらとは思っていたが、優華は自分で服を脱いだ事さえ覚えていなくて、目覚めて俺の腕の中真っ赤になっていた。

ジタバタする優華を昨夜の復讐も兼ねてギュッと抱きしめてぬくもりを感じる。

甘い香りと柔らかい髪が、俺の鼻腔を擽り鼓動を早くする。

でも今朝は優華も素面だからもう、遠慮するつもりはない。

真っ赤になって恥ずかしがる優華のいつもより早く鳴る鼓動が、俺の鼓動と重なると、心も身体も一つになったように感じて愛しさが益々深くなる。

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